「せどりで20万円稼いだら確定申告が必要」と聞いたことはありませんか?実はこのルールには重要な前提条件があり、状況によっては19万円でも申告が必要になる場合があります。本記事では、物販副業(せどり)の確定申告ラインを、給与所得者・専業・住民税の3つの観点から整理して解説します。読み終わるころには、自分が確定申告すべきかどうかが明確に判定できるようになります。
せどりの「20万円ルール」の正確な意味
物販副業(せどり)の確定申告で語られる「20万円ルール」は、正式には所得税法第121条による申告不要規定です(国税庁No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」を参照)。重要なのは「売上」ではなく「所得」が20万円を超えるかどうかという点です。
所得 = 売上 − 経費
例えば年間売上が100万円でも、仕入れ・送料・手数料の経費が85万円なら所得は15万円。この場合は20万円以下のため、所得税の確定申告は不要となります。
| 区分 | 確定申告ライン |
|---|---|
| 給与所得者(会社員・パート)の副業 | 副業所得が年間20万円超で必要 |
| 専業(給与なし)の物販事業 | 所得48万円超(基礎控除額)で必要 |
| 学生(扶養控除内) | 所得48万円超で扶養から外れるため要注意 |
「20万円ルール」が適用されるのは給与所得者の副業ケースのみ。専業や学生では別の基準が適用される点に注意が必要です。なお、年収2,000万円超の方や2か所以上から給与を受けているケースなど、20万円ルールに関係なく確定申告が必要となる別ルールもあります(詳細は国税庁No.1900を参照)。所得計算の前提となる利益計算式は物販副業の利益計算式で詳しく解説しています。
申告が必要かを判定する3ステップ
ステップに沿って判定すれば、自分のケースが確定申告必要かどうかが判定できます。
ステップ1:年間の物販売上を集計する
メルカリ・ヤフオク・Amazon の売上を全PFまとめて集計します。各PFのマイページから1月1日〜12月31日の売上履歴をCSVダウンロードして合算します。3PF横断の売上集計方法はAmazon・メルカリ・ヤフオクの売上を一元管理する方法で扱っています。
ステップ2:経費を全て差し引いて所得を算出する
経費にできる主な項目は次の通りです。
- 仕入れ値(売却した商品の分のみ)
- プラットフォーム手数料
- 配送料・梱包資材費
- 仕入れ交通費・通信費(事業按分)
- 在庫管理ツール・ノートの費用
詳細は物販副業で経費にできるもの一覧を参考にしてください。
ステップ3:判定する
あなたの所得(売上 − 経費)が・・・
▼ 給与所得者(会社員)の場合
→ 20万円超 ⇒ 所得税の確定申告が必要
→ 20万円以下 ⇒ 所得税の確定申告は不要(ただし住民税申告は別途必要)
▼ 専業(給与なし)の場合
→ 48万円超 ⇒ 確定申告が必要
→ 48万円以下 ⇒ 確定申告は不要
「20万円以下なら何もしなくていい」は半分嘘
ここが落とし穴です。所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は別途必要になります(地方税法第317条の2)。
住民税には「20万円ルール」の適用がありません。1円でも所得があれば原則として住民税申告対象となります。確定申告をすれば住民税は連動して計算されるため別申告は不要ですが、「所得税申告不要だから何もしない」と放置すると、住民税の無申告状態になります。
| ケース | 所得税申告 | 住民税申告 |
|---|---|---|
| 給与所得者・副業所得20万円超 | 必要 | 確定申告で連動 |
| 給与所得者・副業所得20万円以下 | 不要 | 市区町村に別途申告必要 |
| 専業・所得48万円超 | 必要 | 確定申告で連動 |
住民税の納付方法には「普通徴収」と「特別徴収(給与天引き)」の2種類があり、申告時に選択できる場合があります。詳細な選択方法や手続きは、お住まいの市区町村窓口または税理士へご確認ください。なお、住民税の納付方法については別途記事で解説する予定です。
確定申告しないとどうなる?罰則とリスク
申告義務があるのに無申告の場合、次のようなペナルティが発生します(2026年4月時点・国税庁No.2024(確定申告を忘れたとき)参照)。
- 無申告加算税:自主的な期限後申告は本税の5%、調査通知後は10〜25%、調査後は15〜30%(金額帯で段階適用)
- 延滞税:法定の上限は年7.3%/14.6%だが、特例基準割合により実効税率は変動(近年の実効値は概ね年2.4〜8.7%程度)
- 重加算税(悪質と判断された場合):本来納める税額に対して35〜40%上乗せ
※税率は税制改正で変動するため、最新値は国税庁公式サイトで確認してください。
メルカリ・ヤフオク・Amazon の取引履歴は税務署が照会できるため、無申告を続けるのはリスクが高めです。所得が発生した場合は原則として申告することをおすすめします。ただし個別の申告判断は管轄税務署または税理士へご確認ください。
確定申告の具体的な書き方・白色青色の判断基準はせどりの確定申告のやり方|白色・青色どっちが得?で詳しく解説しています。
まとめ
せどり(物販副業)の確定申告ルールの要点は次の3つです。
- 給与所得者の副業は 所得20万円超 で所得税の確定申告が必要(売上ではなく所得)
- 専業の場合は 所得48万円超 で確定申告が必要
- 所得税の20万円ルールが適用されても、住民税の申告は別途必要
物販副業(せどり)で年間100件以上取引するなら、月単位で売上・経費を記録しておかないと、確定申告時期にゼロから集計するのは現実的に困難です。日々の記録こそが、税務リスクを抑える基礎となります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別具体的な税務判断は税理士または所轄税務署にご相談ください。
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※2026年4月時点・税制の最新情報は国税庁公式サイトをご確認ください。具体的な申告内容は税理士へのご相談をおすすめします。